『学び合い』を始めるために必要なことは?

『学び合い』って知っていますか?

学習形態でありながら、子どもたちに生き方を示すそれが『学び合い』という風に私は認識しています。

その中で今回を担う考えは「一人も見捨てない」ということです。

そんな『学び合い』を始めるための西川純先生が書いた「『学び合い』スタートブック」について紹介していきます。

ご存じかと思いますが、西川先生の経歴を紹介しておきます。

1959年東京生まれ。筑波大学生物学類卒業、同大学院(理科教育学)修了。博士(学校教育学)。前臨床教科教育学会会長。一般社団法人アクティブ・ラーニング協会顧問。
東京都八王子の都立富士森高等学校定時制の理科教師として、2年間の現場教師経験から、現在の講義での教え方、研究におけるスタンスを決定的に定める。
『学び合い』および『アクティブ・ラーニング』に関する著書多数あり。現在は『学び合い』および『アクティブ・ラーニング』に関する第一人者として全国での講演および研修実績多数。

引用”オンライン西川ゼミ”(https://jun.edusalon.net/

 

学び合いの流れ

①語り

・教師の願いを伝える。

・ここでだれも見捨てないことや教えることの有効性や助けを求められることの大切さを伝える。

②目標

・全員に向けての課題。できる子なら15分以内でできるようなものにする。

・知識技能なら「計算ができる。グラフがかける、読み取れるなど」

・思考判断表現なら「説明できる/図にあらわすことができるなど」

・単元の最初には、その単元を通して身に着けてほしい力などを評価基準ごとに示すのもよい。

③活動

・できたら教える側に回る。わからないなら助けを求めるのが基本の流れ。

・一人で頑張りたい人がいればそれも認めてあげる。消しゴムを立てるのを合図にしてもよい。

④可視化

・達成できたのを見えるようにする。

・教師の声掛け「〇〇さん終わったって!」

・マグネット→できた人は黒板に貼ったり、次のステップに移動させたりさせる。

・班のカード→グループでできたら班のカードを黒板に貼る。

・体育で技ができたら赤白帽子の色を変えるなど

⑤教師の動き

・できた子を見つける。声をかけてあげてできたことをアピール。

・できない子に対してもし「教えてください」と言われたら、「〇〇さんのこと助けてあげられる人いる?」などと他の人につなげる。また、「わからないことを聞きにこれたのはえらいね!」とねぎらいの言葉も入れるようにする。

・教えている人への声掛け「〇〇さんいいね」「説明が上手だね!」「〇〇さんがわかったのは~さんのおかげだね」。とにかく教えてくれる人がいないと成り立たないのでその感謝を忘れないようにする。

⑥やらない・ふざけている子に対しては?

・その子に対して指導をしても効果は薄い。なので周りに対して指導をする。

「すごい残念なことがあったんだけど、さっき真面目にやっていない人がいたんだよね。けど、それよりも残念なのが、その人たちをやめさせようとする人がいなかったことなんだよね。先生はいつもみんなができることを目指しています。それは、一人を見捨てていくと、また一人、そしてもう一人と。そんなクラスは居心地がよくないと思うんだ。だから、次の時間はそういうことがないように周りの人もぜひ声をかけてほしいです。」

・あまり注意をしすぎるのも意欲が下がるので、「〇〇さんいいね!」や「さすが!」などできている子への評価を忘れないことと、全体の場で伝えていく。

⑦振り返りについて

・評価の可視化ができていればその人数を把握する。場合によっては単元のミニテストを用意する。

・過程も大切だが、「全員達成」にこだわっていくことが大切

「全員達成をするためにはどうしたらよいだろう?」などと問いかけも入れていく。

・今日の学習で一生懸命に学ぶことができたかの自己評価も挙手でいいの必ずやる

・自己評価の際にはクラス全体に対してほめるとよい。「一生懸命に教えられたという人がこんなにたくさんいるっていいクラスだよね。」「友達思いの人がたくさんいていいよね」などと。

・振り返りで語りを入れるなどして、教師の思いを子どもに定期的に伝えるようにしていく。

⑧成績について

・学び合いの中で問題になるのは、平均点ではなく最低点「一人も見捨てない」ことが学び合いの根幹にあるため。

・テストの後にはここでどうだったのかを振り返らせる。自分のことだけでなく、クラス全体と捉えられる。ここで目標点が減ってきていることは称賛しつつも、あくまで全員達成が目標であることを忘れない。

⑨学び合いをする理由

先生が一人で教えるよりもクラス全員が先生である方が勉強ができるのは当たり前

→友達に聞くというのがすでに教えてもらっていること。それを授業でもやるのと同じ。

人によって教え方が違う。だからこそ自分に合った教え方をしてくれる人から学んだ方がよくわかる。

「この中には先生が教えるよりもわかりやすく友達に教えられる人がいます。」

・「教えることが一番の学びになる。教えるには頭で考えて言葉にまとめたり、図で示したりしないといけない。それはすごくいい学びになる。それを先生がいつも独り占めをしていたので、みんなに譲ってぜひ学んでほしい。

 

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